VPDとは

Vaccine(ワクチン)
Preventable(防げる)
Diseases(病気)の略です。
世界中には、とてもたくさんの感染症があります。そのなかで、予防のためのワクチンが開発されているVPDはほんの一部です。
かかると今でも治療が難しく、命にかかわる病気だからこそ、ワクチンがつくられました。
しかし、せっかくワクチンがあっても、接種しなければ予防はできません。防げる病気にかからないためにも、予防接種をしっかりと受けましょう。
 

ワクチンとは、病気を起こすウイルスや細菌などの免疫をつける性質は残しながら、安全に使用できるよう、病気を起こす力を弱めたり、完全になくしたりしたものです。
ワクチンを接種することで、大きな負担をかけたりすることなく、安全に免疫をつけることができます。
免疫をつけておくことで、病気にかかりにくくなったり、かかっても軽くすみます。その結果、他の人に病気をうつすことも防ぐことができます。

ワクチン接種後の副反応は心配かと思います。時に発熱することもありますが、実際には接種した部分が赤く腫れたり、少し熱が出たりする程度の軽い副反応がほとんどです。
副反応が出ることがあってもワクチンを接種するのは、接種せずにVPDに自然感染でかかり、重症化する方がずっとこわいからです。

かかったほうがいい病気はありません。
感染症にかかると、体はそのウイルスや細菌などの病原体に対する免疫をつくります。その後同じ病原体と接触しても、再度発病することは少なくなります。そして、実際に感染症にかからなくても免疫をつける方法がワクチンです。
ワクチンによる免疫は、自然にかかった時の免疫に比べれば強くないかもしれませんが、合併症などの危険にさらされることなく、安全に免疫をつけることができます。

「予防は治療に勝る」のです。
今の日本では医学が進歩している為ワクチンを受けずにかかっても平気だと思う方がいるかもしれませんが、最新の医学でもほとんどのVPDには根本的な治療法はないか、あっても重症になりやすいです。
また、病気がそれほど重くなくても、通院や入院をすることにより治療のための費用はかかります。保育園や学校を休まなくてはなりません。また本人だけでなく、家族みんなの日常生活にもさまざまな影響がでます。

ワクチンとは、病気を起こすウイルスや細菌などの免疫をつける性質は残しながら、安全に使用できるよう、病気を起こす力を弱めたり、完全になくしたりしたものです。
ワクチンを接種することで、大きな負担をかけたりすることなく、安全に免疫をつけることができます。
免疫をつけておくことで、病気にかかりにくくなったり、かかっても軽くすみます。その結果、他の人に病気をうつすことも防ぐことができます。

ワクチン接種後の副反応は心配かと思います。時に発熱することもありますが、実際には接種した部分が赤く腫れたり、少し熱が出たりする程度の軽い副反応がほとんどです。
副反応が出ることがあってもワクチンを接種するのは、接種せずにVPDに自然感染でかかり、重症化する方がずっとこわいからです。

かかったほうがいい病気はありません。
感染症にかかると、体はそのウイルスや細菌などの病原体に対する免疫をつくります。その後同じ病原体と接触しても、再度発病することは少なくなります。そして、実際に感染症にかからなくても免疫をつける方法がワクチンです。
ワクチンによる免疫は、自然にかかった時の免疫に比べれば強くないかもしれませんが、合併症などの危険にさらされることなく、安全に免疫をつけることができます。

「予防は治療に勝る」のです。
今の日本では医学が進歩している為ワクチンを受けずにかかっても平気だと思う方がいるかもしれませんが、最新の医学でもほとんどのVPDには根本的な治療法はないか、あっても重症になりやすいです。
また、病気がそれほど重くなくても、通院や入院をすることにより治療のための費用はかかります。保育園や学校を休まなくてはなりません。また本人だけでなく、家族みんなの日常生活にもさまざまな影響がでます。

 
ワクチンで防げる主な病気
…当院でワクチンを接種出来る病気

 

肺炎球菌感染症

 

・肺炎球菌という乳幼児の鼻や喉にいる常在菌が、体の中に入り起こる病気です。
・感染後全てが発症するわけではなく、抵抗力の低下などの際に発症に至ります。(ほとんどが5歳未満で発症)

・細菌性髄膜炎になっても早期の症状は熱と不機嫌くらいで、血液検査をしても多くはかぜと区別できません。その後、ぐったりする、けいれん、意識が無い等の症状がでます。

・細菌性髄膜炎や菌血症、敗血症、重い肺炎や細菌性中耳炎などの病気を起こします。

・髄膜炎をきたした場合には、2%のこどもが亡くなり、生存したこどもの10%に難聴、精神発達遅滞、四肢麻痺、てんかんなどの後遺症が残ります。

・ワクチン接種により、薬90種類ある肺炎球菌のうち、血液や髄液から検出されるような重篤な肺炎球菌感染症にかかるリスクを95%以上減らすことができると報告されています。
▷副反応:注射部位の症状(赤み、硬結、腫れ、痛みなど)、発熱など

B型肝炎

 

・B型肝炎ウイルス感染によっておこる肝臓の病気です。
・感染すると、急性肝炎となりそのまま回復する場合もあれば、慢性肝炎となることもあります。
・年齢が小さいほど、急性肝炎の症状は軽いかほとんど出ない一方、ウイルスがそのまま潜んでいる状態が続きやすいです。

・倦怠感、食欲不振、嘔吐、腹痛、黄疸(皮膚や目が黄色くなる)が起こります。

・劇症肝炎と呼ばれ、激しい症状が出たり、死に至ることがあります。
・症状が現れないままウイルスが肝臓の中に潜み、年月を経て慢性肝炎・肝硬変・肝がんなどになることがあります。

・ワクチン接種による交代獲得率は40歳までの接種で95%と報告されています。また、ワクチン3回接種後の感染防御効果は20年以上続くと考えられています。
▷副反応:注射部位の症状(赤み、硬結、腫れ、痛み)など

Hib感染症

 

・インフルエンザ菌b型という菌が、鼻や喉から体の中に入り起こる病気です。
・5歳未満の乳幼児がかかりやすく、特に生後3ヶ月から2歳になるまではかかりやすいため注意が必要です。
・多くの細菌やウイルスとは異なり、乳幼児に感染しても抗体(免疫)ができず、繰り返し感染することがあります。

・細菌性髄膜炎になっても早期の症状は熱と不機嫌くらいで、血液検査をしても多くはかぜと区別できません。その後、ぐったりする、けいれん、意識が無い等の症状がでます。

・細菌性髄膜炎、敗血症、肺炎、化膿性の関節炎、喉頭蓋炎など

・重篤な疾患としてあげられる肺炎、髄膜炎、化膿性の関節炎を起こした人のうち3〜6%が亡くなると言われています。
・特に髄膜炎にかかると、約5%の乳幼児が亡くなり、約25%に発育障害、聴力障害、てんかんなどの後遺症が残ります。

・ワクチン接種により、血液や髄液から検出されるような重篤なHib感染症にかかるリスクを95%以上減らすことができると報告されています。
▷副反応:注射部位の症状(赤み、硬結、腫れ、痛み)など

ロタウイルス感染症

 

・ロタウイルスによって起こる急性の胃腸炎です。
・ロタウイルスは多くの種類があるため年齢にかかわらず何度でも感染しますが、生後5〜6ヶ月でかかりやすくなり、5歳未満の乳幼児に多く見られます。
・症状は発感染時が最も重症で、その後感染を繰り返すにつれ軽症化し、症状が現れないことも多くあります。

・急激な嘔吐と水様性の下痢便を頻回に排泄し、発熱が3〜5割程度みられます。

・下痢や嘔吐が続き、体から水分と塩分が失われると、脱水症やけいれんを起こします。
・脳炎や重い腎障害なども起こします。

・ワクチン接種により、ロタウイルス胃腸炎による入院患者が約70〜90%減少されたと報告されています。
▷副反応:下痢、嘔吐、胃腸炎、発熱など
 ※1〜2週間は、腸重積症(ぐったりする、顔色が悪い、繰り返しおきる嘔吐、繰り返す不機嫌、血便、お腹の張り等)のリスクが高まる可能性があります。このような症状が見られた場合、速やかに受診をしてください。

ジフテリア

 

・主に、ジフテリアという菌が、鼻や喉から体の中に入り起こる病気です。
・多くの細菌やウイルスとは異なり、乳幼児に感染しても抗体(免疫)ができず、繰り返し感染することがあります。

・発熱、喉の痛み、咳、嘔吐などの症状がでます。
・のど鼻の奥に白い膜ができることがあります。その膜で呼吸がしにくくなり亡くなることもあります。

・菌の毒素により心筋障害や神経麻痺を起こし、亡くなるケースが欧米で報告されています。

・ワクチン接種により、罹患リスクを95%減らすことができると報告されています。
▷副反応:注射部位の症状(赤み、硬結、腫れ、痛み)など

破傷風

 

・破傷風という土の中にいる菌が、傷口から体の中に入り起こる病気です。

・口や手足のしびれ、けいれん、硬直などの症状がでます。

・骨折、誤嚥性肺炎など
・呼吸困難により亡くなることもあります。

・ワクチン接種により、100%近い方が十分な抗体を獲得すると報告されています。
▷副反応:注射部位の症状(赤み、硬結、腫れ、痛み)など

百日せき

 

・百日せきという菌が、のど、鼻から体の中に入り起こる病気です。

・かぜのような症状で始まりますが、そのうち咳がひどくなり、連続的に咳き込むようになります。

・乳児(特に新生児や乳児早期)では肺炎や脳症が起こり、亡くなることもあります。

・ワクチン接種により、80〜85%程度減らすことができると報告されています。
▷副反応:注射部位の症状(赤み、硬結、腫れ、痛み)など

ポリオ

 

・ポリオに感染したひとの便中に排泄されたウイルスが口から入り、腸の中で増えることで起こる病気です。

・乳幼児がかかることの多い病気で、手や足に麻痺があらわれることがあります。
・感染しても麻痺などの症状が出ない場合も多く、症状がなくても、感染した人の便にはポリオウイルスが排泄され、感染のもととなる可能性があります。

・麻痺性の急性灰白髄炎を発症した場合、亡くなることもあります。

・ワクチン接種により、99%の方が十分な抗体を獲得すると報告されています。
▷副反応:注射部位の症状(赤み、硬結、腫れ、痛み)など

結核

 

・結核という菌が咳などにより体の中に入り起こる病気です。
・結核に対する抵抗力(免疫)は、お母さんからもらうことができない為、うまれたばかりの赤ちゃんもかかる心配があります。

・咳、痰、発熱、呼吸困難等、かぜのような症状が多いです。
・小児では症状が現れにくく、重症化しやすい病気です。

・髄膜炎を発症した場合、現在でも30%程度の方がなくなり、治った方においても後遺症を残すことがあります。

・生後1歳までのワクチン接種により、小児の結核の発症を52〜74%程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64〜78%程度罹患リスクを減らすことができると報告されています。
▷副反応:注射部位の症状(赤いポツポツ、一部に小さな膿)、脇の下のリンパの腫れなど

麻しん(はしか)

 

・麻しんというウイルスが体の中に入り起こる病気です。
・生後6ヶ月くらいからかかります。
・感染力が非常に強いウイルスで、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。

・発熱、咳、鼻水、めやに等、かぜのような症状が現れます。
・熱が2〜3日続いた後、体に赤い発疹がでて、口のなかに白いブツブツ(コプリック斑)があらわれます。

・免疫機能が低下し、他の病気に感染しやすくなるので、肺炎、中耳炎を起こすことがあります。
・まれに脳炎が発症すると言われており、亡くなることもあります。

・ワクチン接種により、95%程度の人が免疫を獲得することができると言われています。
・2回の接種を受けることで、1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます。
▷副反応:発熱、発疹など

風しん

 

・風しんというウイルスが咳などで体の中に入り起こる病気です。
・生後12ヶ月くらいからかかります。
・風しんへの免疫がない集団では、1人の風しん患者から5〜7人にうつす強い感染力をもっています。

・発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状があらわれます。

・関節痛、血小板減少性紫斑病、脳炎など
・妊娠中にかかると胎児に眼や心臓、耳等に障がいをもつこどもが出生する事があります。

・ワクチン接種により、95%以上の人が免疫を獲得することができると言われています。
・2回の接種を受けることで、1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます。
▷副反応:発熱、発疹など

みずぼうそう(水痘)

 

・水痘帯状疱疹というウイルスが体の中に入り起こる病気です。
・感染力が強く、5歳までに約80%のこどもがかかると言われています。

・主な症状は発疹、発熱です。
・発疹は紅斑(皮膚の表面が赤くなる)から始まり、水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる水疱)を経て痂皮化(かさぶた)して治ります。
・主に小児の病気で、9歳以下での発症が90%以上を占めると言われています。

・一般に軽症で済みますが、中には重症化して入院が必要になったり、亡くなることもあります。

・ワクチン接種により、1回で重症の水痘をほぼ100%予防できます。
・2回の接種で軽症の水痘も含めて発症を予防できると考えられています。
▷副反応:健康な小児にはほとんど認められないが、時に発熱、発疹など

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

 

・ムンプスというウイルスが咳などで体の中に入り起こる病気です。

・耳下腺・顎下腺・舌下腺が腫れ、噛む時に顎に痛みがあらわれることがあります。
・数日の発熱を伴うものが多いです。

・髄膜炎、脳炎、膵炎、難聴など
・成人男性には睾丸炎、成人女性には卵巣炎がみられることがあります。

・ワクチン接種により、1回接種の国での患者数は88%以上の減少、2回接種の国では97%以上の減少が報告されています。
▷副反応:発熱、耳下腺腫脹など

日本脳炎

 

・日本脳炎というウイルスがブタなどの体内で増え、蚊を介して人の体の中に入り起こる病気です。

・高熱、頭痛、嘔吐など

・意識障害や、麻痺等の神経系の障害を引き起こします。
・ウイルスに感染した場合、およそ1000人に1人が発症し、そのうち20〜40%が亡くなってしまうと言われています。
・生存者の45〜70%に精神障害などの後遺症が残ってしまうと言われています。

・ワクチン接種により、罹患リスクを75〜95%減らすことができると報告されています。
▷副反応:発熱、咳嗽、鼻漏、接種部位紅斑など

ヒトパピローマウイルス感染症

 

・ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされているウイルスです。
・子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がんなど多くの病気の発生に関わっています。

・子宮頸がんは、初期の段階では自覚症状がほとんど無く、がんが進行すると不正出血や性交時の出血などがみられます。

・ワクチン接種により、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示されており、接種が進んでいる一部の国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることもわかっています。
・ヒトパピローマウイルスは150種類以上あり、中には子宮頸がんを起こしやすい種類(型)があります。このうち主要なウイルスの感染を防ぐことができます。
・ガーダシルは、子宮頸がんを起こしやすい種類であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができ、子宮頸がんの原因の50〜70%を防ぎます。
・シルガードは、HPV16型と18型に加え、31型、33型、45型、52型、58型の感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80〜90%を防ぎます。
▷副反応

発生頻度 ガーダシル シルガード
 50%以上 疼痛 疼痛
10〜50%未満 紅斑、腫脹 腫脹、紅斑
1〜10%未満 頭痛、掻痒感、発熱 浮動性めまい、悪心、下痢、掻痒感、発熱、疲労、内出血など
1%未満 下痢、腹痛、四肢痛、筋骨格硬直、硬結、出血、不快感、倦怠感など 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、出血、血腫、倦怠感、硬結など
頻度不明 失神、嘔吐、関節痛、筋肉痛、疲労など 感覚鈍麻、失神、四肢痛など

 

厚生労働省ホームページより(https://www.mhlw.go.jp/
加工して作成
ヒトパピローマウイルス感染症

 

・ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされているウイルスです。
・子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がんなど多くの病気の発生に関わっています。

・子宮頸がんは、初期の段階では自覚症状がほとんど無く、がんが進行すると不正出血や性交時の出血などがみられます。

・ワクチン接種により、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示されており、接種が進んでいる一部の国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることもわかっています。
・ヒトパピローマウイルスは150種類以上あり、中には子宮頸がんを起こしやすい種類(型)があります。このうち主要なウイルスの感染を防ぐことができます。
・ガーダシルは、子宮頸がんを起こしやすい種類であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができ、子宮頸がんの原因の50〜70%を防ぎます。
・シルガードは、HPV16型と18型に加え、31型、33型、45型、52型、58型の感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80〜90%を防ぎます。
▷副反応

発生頻度 ガーダシル シルガード
 50%以上 疼痛 疼痛
10〜50%未満 紅斑、腫脹 腫脹、紅斑
1〜10%未満 頭痛、掻痒感、発熱 浮動性めまい、悪心、下痢、掻痒感、発熱、疲労、内出血など
1%未満 下痢、腹痛、四肢痛、筋骨格硬直、硬結、出血、不快感、倦怠感など 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、出血、血腫、倦怠感、硬結など
頻度不明 失神、嘔吐、関節痛、筋肉痛、疲労など 感覚鈍麻、失神、四肢痛など

 

厚生労働省ホームページより(https://www.mhlw.go.jp/)加工して作成